新型コロナウイルスの影響は様々な業種に及んでいます。当事務所でも、顧問先から売上げの低下を聞いています。

フィットネスクラブや、カラオケは営業中止を余儀なくされているところもあるようですし、旅館業・飲食業は顧客が激減していると聞きます。
また、製造業は、中国からの輸入が止まったことにより、サプライチェーンが滞り、製品が作れないとも聞いています。
他方、百貨店の営業時間が短くなったことで、販売業の売上げも減衰しているようです。

このように、新型コロナウイルス感染症により、多様な経済活動が大きな影響を受けていることから、政府は、中小企業、小規模事業者に対しての資金繰りの支援を実施することを決めました。
資金繰りが苦しい場合は、支援を受けながら、新型コロナウイルスの騒動が収まるのを待つことになるでしょう。

以下では、中小企業に対する資金繰りの支援について解説いたします(2020年3月8日の情報)。

日本政策金融公庫等によるセーフティネット貸付

本来、セーフティネット貸付とは、外的な要因により、一時的に売上げが減少したが、中期的には業績が回復し、かつ発展することが見込まれている中小企業の経営基盤の強化を支援するための融資制度です。

しかし、2月14日から、セーフティネット貸付の要件を緩和しました。具体的には、資金繰り支援の必要がある場合、売上高の減少等の程度に関わらず、柔軟に融資対象とすることを決めました。

信用保証協会によるセーフティネット保証

セーフティネット保証5号

特に重大な影響が生じている業種について、一般枠とは別枠で、借入債務の80%を保証を行う制度です。

今回の新型コロナウイルスにより、特に重大な影響が生じている40業種が緊急的に追加指定されています。
 例:旅館、ホテル、食堂、レストラン、フィットネスクラブなど
 詳しくはこちら⇒セーフティネット保証5号の指定業種

セーフティネット保証4号

幅広い業種で影響が出生じている地域について、一般枠とは別枠で、借入債務の 100%を保証を行う制度です。2020年3月2日に全都道府県が指定されました。

セーフティネット保証の利用

まず、本店等の所在地の市町村に認定申請を行います。その後、希望の金融機関・信用保証協会に認定書を持参し、保証付き融資を申し込むことになります。

衛生環境激変対策特別貸付

感染症または食中毒の発生による衛生環境の著しい変化によって、一時的な業績悪化から衛生水準の維持向上に著しい支障をきたしている場合、経営の安定を図るための特別貸付制度です。

新型コロナウイルスにより、一時的な業況悪化が生じ資金繰りに支障を来している旅館業や、飲食店営業、喫茶店営業で以下に該当する場合は、運転資金の融資を受けることができます。

①最近1か月の売上高が前年または前々年の同期と比較して10%以上減少しており、今後も減少が見込まれていること

②中長期的に業況が回復して発展が見込まれること。

生産性革命推進事業

令和元年度補正予算で措置された中小企業生産性革命推進事業等において、今般の感染症の影響を受けて、サプライチェーンの毀損等に対応するための設備投資や販路開拓などに取り組む事業者に対し、優先的に支援することを決めました。

具体的には、以下の補助金で優先的な支援がなされます。

①ものづくり・商業・サービス補助金
②持続化補助金
③IT導入補助金

これらの採択審査において、新型コロナウイルスの影響を受けながらも、生産性向上に取り組む事業者に対しては加点措置が講じられることになっています。

まとめ

予想をしていなかった新型コロナウイルスの影響は中小企業の経営には大きな影響を及ぼしています。
これに対して、政府も中小企業のために、貸付・保証・補助金などの支援を拡充しています。

新型コロナウイルスの騒動もいずれかは落ち着くでしょう。それまでは最新の情報をキャッチし、顧問税理士や顧問社労士と相談しながら、うまく支援制度を利用して、資金繰りをしていきましょう。

再スタートのための法人破産・個人破産

業種によっては,コロナウイルスによる影響は甚大なものです。
社員への給与を支払えるうちに,一度,事業をたたむことの相談を受けることもあります。
その場合は,追い込まれて動けなくなる前に,お早めに御相談に来て下さい。当事務所がお力になります。

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